ラジオ

17/22
1103人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「そういえば、言ってたよ。 DIMEの歌が、今度のドラマに使われるかもって? これって内部機密かな?」 「あぁ。ちょっと聞いた。 それが、まこっちゃんの彼氏と関係あんの?」 「ドラマ班だからね。下っ端だけど」 「ふーん」 話すことは終わった。 報告はしたし、お礼も一応言った。 「それだけ」 私はソファーから立ち上がった。 「おやすみ」 「……ライブ。 来たいなら、俺に言えばいいのに……。 なんで一緒に暮らしてる俺じゃなくて、カサスなの?」 ボソっと高杉は言う。 「え?」 振り返って見た高杉は、ちょっと睨むように私を見てる。 何? カサスさんにライブのチケットをお願いしたのが不満なの? カサスさんが高杉に渡すときに なんて言ったのかわからないけど、 詳しく説明してなかったのは確かだな……。 それは、智ちゃんが、って弁解する前に、 「だって、カサスさん、優しいし?」 ニコリと笑って言ってみた。 「……俺も 精一杯、優しいつもりなんだけど?」 真剣に言う高杉がなんだかおかしくて、 プッっと笑ってしまう。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!