彷徨う #2

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彷徨う #2

私は素直に、頷いた。 「よかった! ま、真琴ちゃんが行かなくても、 私一人でも行くけどねぇ」 こんな状況でも、 ライブに行けるかと思うと、心が弾んだ。 ただ、あのワケのわからない同居人が歌ってるってだけで 私は、DIMEの曲が好きだ。 「ね、智ちゃん、カサスさんのこと……本気なの……?」 「もちろん。本気だよー」 「カサスさんが智ちゃんを好きだって言ったら、 一応彼氏とは別れるわけ?」 連絡が来て、そそくさと会いに行った『一応彼氏』。 「うーーん」 やっぱり悩むのか、そこ。 「本気の度合いによる。 カサスが本当に私を好きだって言ってくれたんだったら、 私、全部手を切るよ」 全部って、いったいどれくらいいるんだろう。
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