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初デート #2
「そうだ、ヒロ。曲が何曲かできてるから、持ってって」
「おう」
ジョーさんはCDを何枚か高杉に手渡していた。
DIMEの曲の卵だ。
そっか。
はじめにここに連れてこられた日も、
確か、高杉は『注文したものを取りに行く』とか言ってたけど、
曲だったのか……。
今更ながら、あの日の行動が理解できた気がする。
あの日からまだ3週間くらいしか経ってないのに、
私の気持ちも、私たちの関係もだいぶ変わった。
不安がないわけじゃいけど、
今は、自分の気持ちに正直でいたい。
「それじゃ、また来るな。ありがとうな」
とジョーさんに別れを告げ、
私たちは手をつないだまま店を出た。
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