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クリスマスパーティー #2
「私は大丈夫だから。行ってらっしゃい」
掴んでた高杉の服をゆっくりと離して、
できるだけ平気を装っていった。
「ふーん。大丈夫なんだ?
ま、真琴なら襲われても勝つだろうし?
そこらへんの男より強そうだし。
本当、素直じゃねーし。
甘えたりしねーし。
男勝り」
誉めてはいないよね?
そう言いながら私の目のすぐ下の頬をなでる。
昨日たくさん泣いたから、目が腫れてるのを、きっと高杉は気づいてるんだ……。
「仕方ないじゃん、そういう性格なんだから」
口を尖らせて文句を言った。
「たまには俺に頼ってもいいのに」
ぼそっとつぶやくように言って、
私の頭をぐしゃぐしゃとかき回す。
私だってもう少し可愛げがあればって思う。
でも、高杉にすがって、
『離れたくないから一緒に行く。
連れてって!』
なんて、言えないし、言いたくない。
仕方ないじゃん。
「私、明日から実家に帰るから。
しばらく留守にするね」
だからファンが突然押しかけてくる恐怖も、
味あわなくて済む。
「高杉とは会えないのは、寂しいけど……」
ここから離れられるのは少しだけほっとしてる。
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