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ちょうどその時、スマホがメッセージを着信した。
さっき高杉に、無事実家についたことを報告したんだった。
『おつかれ。実家で浮気してくんなよ』
フッ。
そんな器用なこと出来るわけないじゃん。
『前、好きだった人と会うし、してくるかも(笑)』
高杉とのやりとりは、
相変わらず、バカみたいな内容ばかり。
確かに年明けには同窓会があって、
高校時代のクラスメイトと集まる予定で、
好きだった人といっても、
ほんの少し気になってたくらいで、
付き合ったりは全然してなかったし、
向こうも私が気にしてたことすら知らなかったはずだ。
そんなメッセージを書いている最中、
「何、にやけてんの? 新しい彼氏?」
横から、覗き込みそうなくらい近くで、晶が鋭く突っ込む。
「まぁ、ね」
「へぇ……。ねーちゃん意外すぎる。写真ないの?」
晶はニヤリと笑う。
「ないよ」
写真なんてない。
まともなデートは一度しかしてないし、
高杉の写真だけならネットを探せばあるだろうけど、
そんなの見せたら何言われるかわかんないし。
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