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高杉がセットした車のナビは
右に左にと、どこかに案内している。
『目的地周辺です』
と伝えられたのは、
私の育った街で一番と言われている高級ホテル。
「え。ここ……?」
戸惑っているうちに、高杉は車を駐車場に入れた。
「真琴が見つからなくても
泊まるつもりで、予約とったんだ。
真琴に拒否権ないから」
高杉は、私の手をしっかりと握り、高級感溢れるロビーのフロントでカギを受け取ると、
無言のままエレベーターに乗っていく。
心臓がやたら早く動いて、
緊張が高まっていくのを感じた。
15階の部屋。
大きなダブルベッド。
部屋に一歩足を踏み入れたら、
二人の空間だった。
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