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私の涙を見て、
少し首をかしげた高杉は、
私の顔を支えながら、親指で私の涙を拭う。
「ごめん……。なんか。
夢 みたいで……」
呼吸も整わず、とぎれとぎれに声に出す私に
フッと柔らかく笑うと私の体を、ふわりと持ち上げた。
「シャワー浴びる余裕、ないな」
高杉は、切ない声で囁く。
「今すぐ真琴が欲しい」
高杉の真面目な表情に、全身の細胞が反応する。
胸はギュっと痛くなるし、
心臓はドクンドクンと動きを強める。
高杉に見つめられた目を
そらすことができないまま、
私は小さく頷いた。
言葉とか、
そんなもの何にもいらないほど、
高杉を求めてたのは私も一緒だったから。
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