初めての夜

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昨日着ていた服を、再び着てから、 ポットでお湯を沸かし、 部屋に置いてあった ドリップコーヒーを淹れた。 この部屋。 スタンダードな部屋じゃないな。 スイートまではないけど、 広い……。 昨日の夜はそこまで部屋を観察する余裕がなかったけど、 改めて見て空間の広さとおしゃれさに感心した。 スースー寝息をたてている 高杉の顔を見ながら飲むコーヒータイムは、 幸せな時間だったけど、 高杉は、いつ起きるんだろう? ここから実家までは、バスで帰れば 20分くらいだけど、 このまま帰るのは、ないよね……。 ここのチェックアウトって何時だろ? なんだか、だんだん心配になったころ、 「うーーん」 と大きなノビをして、高杉の目がようやく開いた。 ホテル案内の冊子を手に持ったまま 高杉の顔を覗き込んでいた私と目が合うと、 高杉は、ニンマリと満面の笑みを浮かべる。 「おはよう。ってもうだいぶ遅いけど」 私も、幸せな気持ちを隠せず頬が緩む。
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