初めての夜

15/15
前へ
/38ページ
次へ
えっと、朝から……? 胸がドキっと音を立てる。 「……時間ないよ?」 「大丈夫、脱がせないし。 何想像してんの? 真琴、エッチだな」 と高杉はからかうように、ニンマリ笑う。 「サイテー」 確かに下着姿の高杉に、ちょっとだけHな想像をしちゃったけど。 ほんの少し赤くなってかなりブスっとしながら、私は高杉の横にチョコンと座る。 私の肩に高杉の腕が周り、顔を横に向かせられるとゆっくり近づく高杉の顔。 言葉は甘くないけど、 キスは甘くて、体ごと熱くなっていく……。 脱がせないって言ってたくせに、 「やっぱ、脱がせていい?」って。 耳元で囁く高杉の声に体は反応しながらも、 「時間ないから、ダメ」 できるだけ冷静に言って、高杉の手を制した。 「ちぇ」 子どものように拗ねる高杉が、かわいいけど…… 「とりあえず、出る準備しよう」 きっぱり言ってベッドから離れた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

901人が本棚に入れています
本棚に追加