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そのあと、
またあの派手な車に乗ってドライブをした後、
夕方、実家まで送ってもらうことになった。
この車、
夜ならいいけど昼間はなんだかすごく目立って、乗り心地悪いんですけど……?
実家に近づくにつれて、お互い無口になっていく。
あと一つ、引っかかって取れない不安。
やはり、今、聞いておかなきゃいけない。
「引越しの件は……本当なの?」
信号待ちで車が停まっているとき、できるだけ冷静を装って、話を切り出した。
だけど、内心すごく怖くて、この話を切り出すのにすごく勇気が必要だった。
『あぁ、だからもうお別れだ』
なんてサラっと切り返されたら、
きっと立ち直れない……。
私の言葉に、高杉は表情を崩さずこちらを伺う。
「俺の送ったメッセージ、
見てないよな?」
そういう、高杉の声は動揺しているとは思えず、いたって冷静だった。
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