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「あ、イヤぁ。でも、連絡を待ってる人いるし」
「でも連絡取れないんでしょ?」
椅子に座ってる私との距離を少しだけ縮めてきた。
「だからそれは、スマホが壊れたからで」
私は、少しだけまた距離を開けるように
さりげなく座りなおす。
「でも、全く連絡取れなくなるっておかしくない?」
長谷部くんの手が、
椅子に置かれた私の手にほんの少し触れてるのは、故意なのかな。
「や、でもたぶん向こうも番号知らなくて」
「へぇ……」
腑に落ちない顔をしたあと、少しだけ笑った。
彼氏だったとしたら、
携帯番号を知らないなんて
ありえないって思ってるんだろうな。
カチャリとカラオケBOXの部屋のドアが開く。
「お待たせしました」
店員さんが注文していた料理を運んできたようだったけど、私たちは特に気にもしなかった。
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