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赤い顔を落ち着かせてから家に再び戻ると
ニヤニヤ笑った晶が待っていた。
こういうの苦手だ。
「昨日、高杉さんが来た時は、まじでびっくりしたよ。
ねーちゃん、どんな手使って、高杉さんを手に入れたわけ?
あの車だって、1000万はするぜ?
高杉さんって、何してる人?」
高杉に興味深々だった晶は、矢継ぎ早に質問攻め。
「あの車は借り物らしいけどね。
ま、そういうのは秘密で」
「キューピットの俺にそんな態度なんだ?
脇腹もイテーし……」
さっきチョップを入れた脇腹をまた押さえる。
キューピットになんて
なってもらった覚えは全くないけど。
多少は感謝してるのも事実。
「まぁ。それもそうだね」
ひと呼吸置いて、晶に伝えた。
「……今度、DIMEってバンドの歌、聞いてみてよ」
「DIME? 知らねー。でも、なんで?」
「高杉が歌ってるから」
「マジ!?
うおー!すげー!音楽家かよ!」
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