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また少し私との距離を縮めた長谷部くんは、
今度は明らかに故意だとわかるくらいしっかりと、私の手の上に、自分の手を重ね握る。
「や、ちょっと……」
「俺、高校の時から、浜崎さん気になってたんだよね」
耳元で、囁かれて、
別に好きじゃないのに、
顔が赤くなってくのがわかった。
その時、さっきの店員さんが、
ズイっと私と長谷部くんの間に
割り込むように入ってきた。
え……?
と思って顔を上げると、
店員さんだと思ってた人は、
店員さんじゃなくって。
うそ?
一瞬、思考回路が止まった。
「た、高杉……!? なんで!?」
思わず飛び跳ねるようにイスから立ち上がって、マジマジと顔を見る。
本物の高杉だ……
「え、マコの知り合い?」
イケメン好きの朝香が、目を丸くしながらこっちを見てる。
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