再び上京 #2

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「泣いてなんてないよ。 ただ……。 悲しかっただけ。 どうして私に何にも相談なく……」 引越しちゃったの? 私は高杉の彼女だと思ってたけど、違うの? この間の夜は……実家での出来事は、幻だった? ちゃんと繋がれてたと思っていたのは、私だけ? 体中から溢れてくる負の思い。 それすら言葉にできなくて、ぶつけることもできない。 そんな私をきょとんと見ている高杉に、 声を振り絞って聞いた。 「高杉の話ってなに……?」 「あーー。どうしても顔を見て言いたくてさ……。 ちょっと言いにくいんだけど……」 少しだけ躊躇しながら、高杉は言った。 「俺、引っ越したんだよね」 そんなの…… 見たらわかるよ……。 「でな。そこ、ルームメイト募集してんだよね。 俺は、マコトって名前の女がいいんだけど」 「え……?」 あまりにも軽く告げられた言葉に体が硬直してしまった。 頭の中で反芻する。 これって、あのときの私の勘違いになぞらえた……。 「これ、年末にLINEしたんだけど、 一向に既読にならなかったんだよな……」 ポツリと照れ臭そうに高杉は言う。
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