裕美 V.S. 正志

13/18
1092人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
……そうくるか。 真琴のこと何も知らねーのは、俺が聞かなかったせいもあるけど、 真琴も話してくれないよな。 ハァ……大きなため息が出てしまう。 「あぁ。かわいくねー」 もっと女って、どーでもいいことをウザイくらいベラベラ喋るのが普通かと思ってた。 真琴は、必要事項以外あんまり無駄なこと話さないし、甘えないし、わがままも言わねー。 うるさい女は嫌いだけど、 真琴が話すことはうるさいとは思えない。 もっと真琴を知りたいのに。 俺にかわいくないって言われて、 真琴はムスっとしたままこっちを睨む。 「どうせ可愛げなんてないですけど?」 拗ねる真琴の手を引き、 リビングのソファーに座らせる。 俺も、続いて横に座った。 ずっと触れていたくて、 真琴の肩に腕を回して体を密着させる。 嫌がるそぶりも見せずに、真琴も体を俺に預けた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!