再び上京 #2

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高杉は周りも気にする様子もなく、 玄関の外に出ても私の手を引っ張っていく。 ファンの子がもし見ていたら大変なんじゃない……? 心配になっているのは私だけなのかな。 あの事件で少しは反省したかと思ったけど、 大胆なのは変わってない。 それに、引越し先までの道のりは遠いのかな。 学校から離れてしまうのかな。 離れたとしても、高杉と一緒にいれるなら、私はついて行きたい。 そんなことを漠然と思いながら聞いた。 「今日はバイク?車?」 「今日は徒歩」 高杉は平然と言った。 徒歩で行ける距離ってことかな。 そんなに近いの……? 今までのアパートから、10分くらい歩いたかな。 「ここ」 と言われ、見上げた物件はアパートというより高級マンションだ。 入口はオートロックで、セキュリティーもしっかりしてそう。 それに、今までよりも、大学にも駅にも近い。 「高いんじゃないの……?」 物件を見上げながら聞いた私の質問には答えず、高杉はポケットからカギを取り出して、入口の扉を開ける。
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