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「とりあえず、医務室行くか」
正志さんの腕は私の腰にしっかり回っている。
久しぶりの正志さんの腕のぬくもり。
数ヶ月前までは、頼りきっていた腕なのに、
今は、すごく違和感を覚える。
「あの……。私、大丈夫です……」
慌てて体勢を立て直して、
体重をかけないで歩こうとするけど、
私がフラっとするたび、
ギュっと腕に力がこもって、引き寄せられる。
「余計なこと考えなくていいから。
とりあえず行こう」
「すみません……」
小さな声でつぶやいた。
反対の横からは亮史が、私の体に触れることはないものの、
不安そうな面持ちで立っている。
そのまま3人で真っ直ぐに医務室に向かった。
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