元カレ #2

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医務室は、カーテンで仕切られているだけの狭いスペースで、 待機していた医療担当のスタッフの女性に、 簡易ベッドに横になるように勧められた。 心音や血圧を測ってもらったけど、特に大きな異常はないようだ。 「ちょっと休んでてね。しばらく様子を見ましよう」 柔らかい声のスタッフ。 「あ、もう大丈夫だと思うんですが……」 上半身を起こそうとしたけど、 「まだ、寝といた方がいいって」 正志さんが私の左肩を軽く押し、寝かせつける。 正志さんは、いつのまにか医療スタッフと入れ違いに、 ベッドの横の椅子に腰をかけていて、 亮史は、その横に立って心配そうに私を見下ろしてる。 正志さんとの距離が近い……。 視線を合わせるのを避けるように、 私はゆっくりと目をつぶって、大きく深呼吸して、気持ちを落ち着けた。 負けたこともショックだったけど、 こんな風に、人にまで心配をかけてしまった事の方がショックだ。 情けないな。
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