元カレ #2

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赤くなった高杉は、なんか可愛い。 「ヒュー。 ヒロさん、彼女さんにベタ惚れなんですねー」 その様子を見ていたらしいスタッフさんにからかわれ 高杉はますます顔を赤くしながら額を押さえた。 「……楢ちゃん。 俺、このまままっすぐ帰っていいよな?」 「いいですよ。 あぁ、俺、この後ちょっと事務所に寄るけど、 車で、送ってきますよ」 と楢崎さんは、言うけど、 「いい、先にタクシーで帰るから」 そう言いながら高杉は私の大きなカバンをひょいっと持ち上げた。 「お疲れさまでした!」 高杉はくるりと振り返り他のスタッフさんにも頭を下げた後、 「行こう」 とさっさとスタジオを出て行く。 その急ぎぶりに驚いて、慌てて私も他の人に挨拶をする。 「カサスさん、またね。 お邪魔しました!」 他のスタッフさんに向かっても、 しっかりと頭を下げた後、急いで高杉の後を追った。
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