元カレ #2

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しばらく経ってから、 私はゆっくり目を開けて正志さんを見た。 覗き込むように向けられている視線が、心苦しい。 「迷惑かけてごめんなさい。 でも、もう大丈夫」 出した声は、もう弱々しいものじゃなくて、 普通に出せてる。 きっとたいしたことはない。 フゥっと大きくため息をついてから、 正志さんは亮史に向かって言った。 「亮史、悪いけど荷物持ってきて。 俺のと真琴の。 あと、渡部の試合終わったら真琴がここにいるって伝えといて」 「あ。ハイ」 正志さんの指示で、亮史は医務室を出て行く。 医務室には、もう一人、腕を痛めたらしい選手がいて、医療スタッフの女性はそちらの処置を始めたところだ。
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