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「だって正美になんか甘えてるじゃない?自分ちみたいに寝ちゃうし。」
「なんか眠くなっちゃうんだよなぁ。」
「お酒強くないね。」
「うん。飲むと眠くなっちゃうんだよ。」
池田は困った風に言った。
「正美の家に泊まったこともあるんだって?」
「うん。一度。」
「正美とそういう関係になってもいいって思った?」
「そういう関係って?」
「男と女の関係。」
「まさか!ありえないし。」
驚いたように言う。
「有り得る話だよ。男が女の家で一晩過ごすんだから。そういう関係の二人なんだって人は思うよ、そう聞いたら。私もそうなのかと思ったし。」
私は言った。
「女じゃないよ。女と意識なんかしたことないよ、正美のことは。姉貴みたいに思ってるだけ!」
池田は必死に弁解している。
「まあ私もいまはそうかなってわかるけどはじめ聞いた時は二人は付き合ってるのかなって思ったもん。」
私は言った。
「正美も正美だよ。ちゃんと否定しとけよ!」
池田が言った。
「正美は否定したくないのかもよ。池田くんのことかわいいと思ってるみたいだし男として見てるのかもよ。」
私が言った。
「ありえない。絶対ありえない。」
「そうかな?本当はそんな正美の気持ち、ちょっとは気づいてたんじゃない?」
私が言うと池田は黙っていた。否定はしなかった。しばらく黙り込んだ後
「変なこと言うなよな。」
と言ってまたブスッと黙り込んだ。
「はいはい。さ、眼鏡さがしにいくんでしょ?行こう。」
私が先に席を立つと池田もノソッと後からついて来た。
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