13.ぱっとしない男の子

2/6
前へ
/35ページ
次へ
駅近くの眼鏡店に行ってフレームを選んだ。 「こういうのはどう?」 私はフレームが上の部分だけしかついていない目立たないタイプのを選んだ。 「ちょっとかけてみて。」 私は言った。試してみるとなかなかいい感じだった。 「いいんじゃない?そういうの。」 「いいんだけど俺、度がきついから薄いレンズにしてもこういうのだと大丈夫かなぁ。」 「聞いてみれば?」 良さそうなフレームの候補を3つばかり選んであとは池田と店員に任せることにした。 「コンタクトレンズはしないの?」 「うーん。俺子供の頃から眼鏡なんだよ。理由は忘れたけどコンタクトじゃダメなんだって。」 「そっか。コンタクトだとかなり印象変わると思ったんだけどね。」 実際眼鏡を外した池田をみてびっくりした。いつも黒ぶちで瓶底のようなセンスのかけらもない眼鏡に隠れて気づかなかった。 眼鏡を外した目は視力の悪い人間特有の焦点の定まらないようなぼわっとした感じ。柔らかい印象のチャーミングな目をしていた。 眼鏡は主張が強すぎないものの方が似合うと思った。結局フレームが上だけしかないタイプに薄いレンズの組み合わせで決めた。 眼鏡一つでここまで印象って変わるのかというくらい印象が激変した。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加