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「すごく似合う。」
私はおだてじゃなく言った。
「ありがとう。」
池田はちょっと照れ臭そうに笑った。
「眼鏡一つで変わるもんだね。すごく男前。早く出来るといいね。見立てた私に感謝して。」
「うん。」
自分でも気分がよかったのか照れながらも素直だ。
「あとはヘアスタイルがイマイチぱっとしないね。そのツンツンしたの、好きなの?」
「なんで?いいじゃん。似合わない?」
「あんまり。もう少しだけ長めっていうかナチュラルな感じの方がいいと思う。」
「そうかなぁ。」
池田はピンと来ない様子だ。
「いつもは美容室じゃないの?」
「1000円カットだよ。」
「じゃあ見本を持ってってこんな感じにしてって言ってみれば?」
「うーん。俺そういうの苦手。」
「かもね。」
そうかもしれない。美容師相手にそんなことを言っている池田は想像しにくかった。
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