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「大事なこと忘れてた。」
池田に言っておいた方がいいことを思い出した。
「何?」
「今日一緒に眼鏡選んだこと、正美には内緒ね。」
「うん。でもなんで隠す必要あるわけ?」
彼女の気持ちを確かめたあとでいくらプレゼントを買いにきたとはいえ誤解を招くようなことはしたくなかったからだ。
「変に勘ぐられて誤解されたくないからだよ。」
「誤解って何だよ?」
池田がしつこく食い下がる。
「だから正美は誘わないで二人で買物とかって思われたくないから。」
私が言った。正美の気持ちを言うわけにはいかないのでなんと言って説明していいかわからない。
「そんなのプレゼント買いにきたついでに選んだって言えばいいことじゃん。」
「それはそうなんだけど。」
「変だよ。変なこと意識するなよ。それより腹減った。なんか食わない?」
18時30分を過ぎていた。
「寮のご飯は?」
「今日は出かけることになってたから頼んでない。だからなんか食って帰ろうよ。」
「うん。じゃあ食べて帰ろうか。何にする?」
「ラーメン。」
即答だった。
「えー、ラーメン?私ラーメンあまり好きじゃない。」
「は?なんで?あんなうまいものを!うまいラーメン食べたことないんじゃないの?いいから行こ行こ!」
池田はそう言ってどんどん歩きはじめた。私は仕方なしにあとからついていった。
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