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翌日私は週休日だった。以前の職場は土日休みの事務職だったのだが悟と休日を合わせたくて辞めてしまった。
まだ私たちが今のようながんじがらめな状態ではなくマンネリなりにうまくいっていた頃だ。
悟の異動を機に引越することになり同棲を始めた。はっきり言われたわけではないがその頃の悟のビジョンには私との将来があったと思う。
結婚したらこうしようか、子供が出来たらこうなんじゃないかとかそんな会話もあった。
悟が将来のパートナーを私と考えていたのは私の勝手な思い込みではなかったと思う。
でもだんだんと何かが変わってしまった。いつからとははっきり言えない。異動後、元々忙しかった仕事に拍車がかかった事も原因だろう。
異動してしばらくすると彼は異例の出世をした。30歳を前に営業課長補佐になったのだ。
ますますすれ違いの時間が多くなった。たまに顔を合わせれば私は不満をぶつけ、しまいには喧嘩になった。
悟は喧嘩で消耗するのを嫌い私に対しても心を閉ざすようになっていった。
私はますます寂しくて不満を募らせるようになった。最近ではまともに喧嘩すらしない。
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