14.期待するから…

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意外なところで高速を降りた。いったいここで降りて何をするというのだろう。車は住宅地を走ってどこともしれないちょっと開けた空地で止まった。 「ここどこ?」 私は悟に聞いた。 「物件の土地。」 悟は当然のことのように答えた。まるで会社の後輩かなんかと下見に来ているみたいに。 「それを見に来たの?」 「そうだよ。」 何か問題でも?とでもいいたげな雰囲気で悟は答えた。私の中で大きな落胆が広がっていった。なんだか無性に腹が立った。 「本当にそれだけ?見に来たついでにどこか行こうと思ってるとか、どこかへ行こうと思ったらその近くに物件の敷地があったからついでに見て行くとかいうんじゃないの?」 私はすがるような思いで聞いてみた。 「いや、このために来たんだよ。いいじゃん、ドライブしたんだし。」 何が問題なんだよ?とでも言うような口ぶり。 私は心底がっかりして悲しくなってきた。そのまま黙り込んで窓の外を向いた。 「降りないの?」 悟が聞いた。私の落胆なんて全く気づきもしないかあえて理解しようともしない様子。 「降りない。」 (降りたって何もないじゃない。ただの埃っぽい空地に降りてどうすんのよ。) 心の中で呟いた。 悟は一人で車から降り何か調べたり眺めたりしていた。私はその様子を虚しく見つめていた。
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