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14.期待するから… #2
私たちはもう恋人同士というより倦怠期を迎えた夫婦のようだと思った。結婚もしていないのに。
悟と別れるのは今となっては考えられない気がしたがこんな状態で結婚して幸せになれると思えなかった。
それに結婚というアクションを起こすエネルギーもきっかけもないような気もした。
「何?」
私の視線が気になったのか悟が聞いた。
「なんでもない。」
私は言った。
静かな食事を終え、私たちは帰路についた。家の近所まで来てからスーパーで簡単に作れるようなものを買って夕飯にした。
支度をする間に悟は入浴し、食事の後片付けが済むと私も入浴した。また明日からすれ違いの一週間が始まる。
いつもより早めにベッドに入った。そして静かなセックスをした。さざ波もたたないような静かな営み。終わるとお互い背中を向けて眠りについた。
何かが終息に近づいているようでもあり永遠に続くようでもあった。いつもの休日が終わろうとしていた。
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