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「え?」
池田は一瞬絶句した。
「大丈夫?俺、今からそっち行くよ。」
池田は慌ててそう言った。
「大丈夫。もう鍵もかけたしいなくなったみたいだから。」
本当だった。リビングも網戸のままだったので慌てて閉めたがそこにはいなかった。狭いアパートだったが家中の窓の鍵をかけてカーテンを閉めた。
さっきまでこわくて震えていたがだんだんと落ち着いてきた。覗いていた男に部屋に押し入られるということはなくなった。
「大丈夫なの?心配だよ。彼氏は?」
「まだ帰ってない。帰ってたら電話出来ないよ。」
「やっぱり俺行くよ。」
「本当、大丈夫だからいい。門限もあるんだし。それに彼が帰ってくるかもしれないから。」
私は来てくれるという池田の申し出を断った。
来てくれれば安心できる。悟が帰るまで一人でいるのは怖い。それでも悟が帰ってきた時、池田がここにいるわけにはいかないからだ。
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