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「本当に大丈夫?」
池田はなおも聞いてきた。
「うん。もういなくなったから。」
「でも怖くない?」
「怖いけど、でも大丈夫。」
「俺行くから待ってて。」
「でも彼帰ってきたら困るから。」
「大丈夫。家の外にいるよ。鍵閉めときな。じゃあね、行くから。」
そういうと電話は切れた。
池田は私の家を知っていた。正美の家に行ったり行動をともにするうちに通りがかりに教えたことがあったからだ。
10分ほどして電話がなった。
「今着いたよ。彼氏帰ってる?」
池田だった。本当に来たのだ。
「まだ。ちょっと待って。」
玄関を開けようとして自分がすっぴんでブラジャーもしていないことに気づいた。慌ててルームウェアの下にブラジャーをしてから玄関のドアを開けた。
「本当に来てくれたんだ。ありがとう。ごめんね。」
私は玄関の外に自分も顔を出して言った。
「寮にいても心配で落ち着かないから。
今ぐるっと周り見たけど変なヤツが潜んでたりはしないな。」
池田は言った。
「彼が帰ってくるとまずいだろ?俺、外にいるから中入ってろよ。」
年下の頼りない男の子だと思っていたが精一杯守ろうとしてくれていた。
「玄関の中にいて。彼、車だから駐車場に入ってくればわかるから車見えたら悪いけどすぐに行ってくれる?」
「うん、わかった。車来たらすぐ消えるから。」
私は池田を玄関の中に引き入れた。
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