17.恐怖

9/14
前へ
/35ページ
次へ
「もしかしたら初めてじゃないのかも。気づかなかっただけで。……こわいよ。」 「ストーカーだったりしたら……」 池田は私を見て言いかけた。 「今まで変なことなかった?」 「うん。気づいたことはない。」 「しばらく気をつけた方がいいよ。夜はとくに。彼に早く帰ってきてもらいなよ。」 「どうかな。それは無理そうだけど。」 「だってこんなことあったし女一人ってわかったら危ないよ。狙われてるかもしれないから。夜は出歩かない方がいいよ。」 「うん。そうする。」 「正美んとこの行き帰りは俺が一緒だから大丈夫だけどさ。かえって一人でここにいるより安心でしょ?」 「うん。そうかもね。」 「とにかく彼氏にしばらく早く帰ってきてって頼んでみれば?心配するはずだから。」 「うん。そうだね。」 私はそう返事した。悟が早く帰ってくるのはなさそうだと内心思ったけれど。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加