17.恐怖

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あの目。思い出していたら手に嫌な汗をかいてきた。ふと池田と手をつないでいたのに気づき手を離した。一瞬気まずい空気が流れた。 「遅いね。彼氏。」 沈黙を破って池田が言った。 「うん。いつものことだし下手したら1時過ぎなんてこともざらだから。いいよ、帰って。明日仕事だし私なら大丈夫だから。」 「帰っても寝るだけだからもう少しいるよ。」 それからしばらくして悟の車の音がした。 「帰ってきたみたい。」 「よかった。じゃ帰るね。」 「ありがとう。」 池田はサッとドアを開けて出ていった。私は急いで鍵を閉めた。悟の車のドアがバタンと閉まり足音が近づいてきた。 玄関の鍵が開けられ悟が入ってきた。私が玄関先にいたのでちょっと驚いたように私を見た。 「びっくりした。こんなところで何してるの?」 「さっきそこから覗かれてたの。」 「覗かれてた?」 私はあった事を説明した。友達と電話していてずっと覗かれていたようなのに気づかなかったと言った。悟は真剣に聞いていた。
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