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私たち三人の位置関係に微妙なずれが生じていた。このことが人の噂より私を困惑させていた。
「そろそろ行かなきゃ。」
私は時計を見て立ち上がった。一緒に出てきた池田も席を立った。
「もう終わりか。」
正美が言った。
「ごめん、先行くね。」
私は声をかけた。
「そうだ。忘れてた。これを言わなきゃと思って二人をさがしてたんだ。今日なんだけどシンのママ友と会うことになって。だから今日はダメになっちゃったんだ、ゴメン。」
正美が言った。
「うん、わかった。こっちこそいつもお邪魔してゴメンね。今度はうちにも来て。」
私は言った。
「うん。ありがと。じゃあね。」
「またね。」
私は池田と食堂を出て階段をおりた。
「正美がだめなら今日二人で飲みに行こう。」
池田が当たり前みたいに言った。
「うん。いいよ。」
私も当然みたいに答えた。
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