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「あいつは、正美はそんなんじゃないと思うよ。弟っていうか。歳も離れてるし。想像力ありすぎだよ。川島さん。8歳かな?それくらい違うんだよ。
正美だって俺のこと男としてみたことないって。俺だって正美のこと女としてみたことないしこれからだって永久にない。」
池田は言った。
「わかってないねぇ。」
私は言った。
「女の私から見れば正美の気持ちはバレバレ。むしろ気づいて欲しいって猛アピールしてるみたいに見えるよ。全く隠そうともしてないし。」
「そうかなぁ。」
池田は納得しない。
「さっき食堂にいた時もすごく居心地悪かったよ。私が正美の居場所取っちゃったみたいで。これからは15時の休憩の時は正美を誘ってよ。」
「いいじゃん、そんなの気にしないで。」
「気になるよ。」
「迷惑ってこと?俺とはいたくないの?嫌?」
真意が伝わらず池田が曲解するのでじれったくなってきた。
「そうじゃなくて。」
私は言った。
「迷惑とか嫌とかそんなんじゃない。私は楽しいけど正美にヤキモチ妬かれるみたいで心苦しいだけだよ。」
「なんだ、そうか。よかった。」
池田は言った。
「よかったって?良くないよ。」
「俺といるのが嫌ってわけじゃないんだよね。」
「うん。そうじゃない。」
「じゃあ、いいじゃん。正美のことは気にすんな。」
池田はホッとしたようににっこりと笑って言った。その笑顔があまりに無邪気で思わず可愛いと思ってしまった。
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