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「そんな重たく考えないでさ。」
鈴木が私をじっと見ているのを感じていた。
「息がつまりそうならこうやって気晴らしに俺とデートしようよ。彼氏と別れて付き合ってくれとか言わないからさ。」
言い終わると酒をぐいと飲んでから慌てて付け足した。
「いやもちろん別れて俺と付き合ってくれるに越したことはないんだけどさ。」
そう言って笑った。
「でも決心つかないんだろ?だから軽い気持ちで気晴らししようぜ。」
私はグラスに視線を落としていた。鈴木のほうを向く勇気がない。
「私真面目だから適当にごまかしたり自分の気持ちを曖昧にしたりって苦手なの。考えなくて済みそうな事を追求して考えちゃったり。不器用だけど。」
弱々しく笑いながら私は言った。
「鈴木さん、ありがと。」
「肩の力抜いてさ、ね。気持ちを軽くしてあげたいんだよなぁ。ま、とにかく楽しく飲もうよ。ね、乾杯!」
鈴木がグラスを少し傾いた。
「乾杯。」
私も言いながら鈴木のグラスに軽くグラスをあわせた。
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