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子供たちが食事を食べ終わったところでケーキを出してきた。キャンドルに火をつけて部屋の明かりを消す。
「ハッピー バースデー トゥ ユー…」
シンがろうそくを吹き消してみんなでぱちぱちと拍手をした。
「アヤも!アヤも!やりたい!」
もう一度ろうそくに火をつけてから明かりを消した。アヤは「ふぅ」と吹き消そうとするがなかなか全部のろうそくが消えない。3度目位にやっとすべてのろうそくが消えた。
「ろうそくが垂れてきちゃうから、はい、もう終わり。」
正美はそう言ってケーキを均等にカットした。チョコレートのプレート飾りの部分をシンの分にしてみんなで食べた。
「シン、よかったね。こんなの久しぶりだね。」
正美がシンに言った。
「ありがとう。」
シンは少し照れたように小さな声で言った。
「ねえ、やろやろ!」
シンはあっというまにケーキを平らげると池田を誘って早速ゲームソフトをやりはじめた。
アヤはケーキで口の周りを汚しながらプレゼントのおもちゃをいじって正美に説明していた。
「池田くん、いいとこあるじゃない?」
私は正美に言った。
「あいつ、根はいいヤツだよ。あんな感じだけど。」
正美は言った。
そんなふうにしてささやかなシンのバースデーパーティーの夜は更けて行った。
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