5人が本棚に入れています
本棚に追加
3人のオーダーしたドリンクがきたので乾杯した。相変わらず山本は市田狙いなのは見え見えだ。
市田はと言えば明らかにターゲットを池田にしているのがわかった。さっきから池田にばかり話し掛け思わせぶりな視線を送っていた。
好き嫌いではなく男という男を自分の術中にはめないと気がすまないのだろう。男を自分の虜にするのが楽しいのだ。
彼女にとっては狩りのようなものなのだろう。池田なんか簡単にとらえられそうだ。格好のターゲットにちがいない。
「池田さん最近イメージ変わりましたよね?」
池田が市田の方を向いた。その顔には警戒の色がうかんでいる。
(ほら、始まった。)
私は思いながら様子を見ていた。池田が黙っているので彼女は続けた。
「かっこよくなった。なんかあったんですか?」
市田はかわいらしい目で池田をじっと見つめてにっこり笑った。
こんなかわいい子にこんな風に見つめられたら女の私だってドキドキしてしまいそうだ。案の定池田は耳まで真っ赤になった。
「池田さんてかわいい。」
市田は上目遣いに池田に笑いかけた。
全く舌を巻いてしまう。山本は面白くなさそうだ。私はお手並み拝見と勝手にやらせておくことにした。
最初のコメントを投稿しよう!