19.行きつけの店で #2

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鈴木とスポーツ売場マネージャーの松尾、スポーツ売場の社員の中野が入ってきた。 中野は池田と同期だ。明るくていかにもスポーツ売場の顔らしい爽やか系で店でも人気者。かなりモテるらしい。 松尾は鈴木と同年齢くらいだが妻帯者で幼い子供もいる。それが平均的だ。社内では男性の結婚は比較的早い。 その中では鈴木は遅い方だけれど世間的には遅いわけではない。私よりは年上だがまだ30代前半、悟よりいくつか年上というところだ。 鈴木が私を見つけて驚いたような顔をした。 「声かけに行ったらもう帰っちゃっててさ、偶然だな。」 そう言うと私の隣に座った。店員が隣のテーブルを寄せ後の二人も鈴木に続いて座った。 「池田と飲んでたの?珍しいな。」 鈴木が言った。 池田は鈴木に軽く頭を下げて 「お疲れ様です。」 とボソッと言った。 鈴木のビールがきたので私は乾杯した。 「お疲れ様でした。」 私が言うと鈴木は私の方を向いて笑った。一瞬ドキッとした。
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