19.行きつけの店で #2

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携帯がなって松尾が出た。とたんに声音が変わった。 「まなちゃん、まだ起きてたの?うん…うん…うん…アンパンマンの?うん…うん…わかったよ。うん。今日はもう遅いから明日見ようね。うん…うん。わかった。じゃあね。バイバイ。」 話している間も電話を切ってからも顔が緩みっぱなしだ。 「お子さんですか?」 私は聞いた。 「うん。下の子。」 「何歳でしたっけ?」 「2歳。」 「かわいくて仕方ないって感じですね。」 「だってかわいいもん。写真見る?」 松尾は顔を崩したまま携帯の待受を見せた。 「かわいいでしょう。」 携帯の中で小さな男の子と女の子が笑っていた。松尾の言葉通り二人ともとてもかわいかった。
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