5人が本棚に入れています
本棚に追加
携帯がなって松尾が出た。とたんに声音が変わった。
「まなちゃん、まだ起きてたの?うん…うん…うん…アンパンマンの?うん…うん…わかったよ。うん。今日はもう遅いから明日見ようね。うん…うん。わかった。じゃあね。バイバイ。」
話している間も電話を切ってからも顔が緩みっぱなしだ。
「お子さんですか?」
私は聞いた。
「うん。下の子。」
「何歳でしたっけ?」
「2歳。」
「かわいくて仕方ないって感じですね。」
「だってかわいいもん。写真見る?」
松尾は顔を崩したまま携帯の待受を見せた。
「かわいいでしょう。」
携帯の中で小さな男の子と女の子が笑っていた。松尾の言葉通り二人ともとてもかわいかった。
最初のコメントを投稿しよう!