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「へえー。かわいいなぁ。誰に似たんだか。奥さんか?松尾さんにも似てるけどな。かわいいな。」
鈴木が待受を見ながら言った。
「子供はいいよ。鈴木さんももう遊びはほどほどにして早く結婚したほうがいいよ。」
松尾が言った。
「だって川島ちゃんが結婚してくれないんだもん。」
鈴木はふざけてわざと真剣な眼差しを作り私の手を両手で包んで
「ミオ、結婚しよう。」
と言った。
「どうしよっかなぁ。」
私はそう言って笑った。
「いいじゃん、結婚しようよ。」
鈴木はまだふざけていた。
「いいじゃないですか。川島さん、お似合いですよ。私も早く結婚して子供欲しいです。」
市田が言った。
「そうなんだ。」
大倉と山本が言った。
「25までには赤ちゃん産みたい。25歳過ぎたらもうヤバいから。DNAも劣化するみたいだし私絶対24までには結婚したい。25過ぎて産んでいないなんて考えられない。」
ニコニコしながら私を目の前にあてつけがましく言う。無神経というより私を陥れるための確信犯だと感じた。
みんなが私を気遣かってヤバいんじゃない?と思っているような空気があった。誰もつっ込める勇気なさそうなので自分で言った。
「ゴメンね、おばさんで。」
「えー!川島さんてごめんなさい、いくつなんですか?」
いくつ?というあたりからわざとらしく声を落としてみせた。本当にわざとらしい。
「ずいぶんダイレクトに聞くね。別にいいけど。26。誕生日が来たら27だよ。」
「えー!ごめんなさい。若く見えるから絶対25いってないと思った。24くらいだと思った。」
「それはどうもありがとう。」
すごくわざとらしかったけれど一応ありがとうと言っておいた。
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