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キスは徐々に熱くなっていった。これまで私がしたどんなキスよりも静かに燃えていた。キスをしているだけで体の力が麻痺して抜けていくようだった。
ほんのわずかな時間のキスで私たちは濃密な情愛を交わした。言葉で伝えられない熱をキスで交換した。
頭が真っ白になって痺れるようでやっと唇を離しても痺れたままのようだった。
「男の子だと思ってたけど男だったんだね。」
身体はまだざわついていた。池田がこんなキスをするなんて思わなかった。さんざん女を泣かせる男がするようなすごいキス。驚きとともに喜びを味わっていた私に池田はまたキスをした。
私はまるで眠り姫が目覚めた時のように従順になっていく自分を感じた。
「私たちこれからどうしよう……」
痺れた感覚に包まれながら私はつぶやいた。
「……さあ。どうしよう。って、とりあえず飯を食うだろ?やっぱり。」
にやりと笑って私の手を取って走り出した。
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