31.衝撃

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「何度も何度もやめようとしたけど、実際別れたこともあるけどどうしてもだめなのよ。 離れられないの、私たち。私と悟。相性がいいの。精神面もそれに体も。悟もそう言ってる。ミオより良いって。だから止められないって。 そのうち切れるなんて無理なんだってわかった。そもそも悟にははじめから手を切るとか別れようなんてつもりはさらさらないみたいだし。 ずっとずっと前からつねに二股だったのよ。全然気づかないでなんて呑気なんだろうと思った。私だけがのたうちまわって苦しんでたのに。」 自分だけが被害者みたいな言い方だった。 「表向き、悟とミオは秒読みみたいに言われてた時もあったけど私は絶対ありえないと思ってた。 悟は私と切れる気ないもん。たとえミオと結婚したとしても今の関係はずっと続くと思ってた。」 馬鹿みたいだった。私だけが蚊帳の外で何も知らずに悟からのプロポーズを待っていたのだ。 何もかもが信じられなくなってきた。ついさっきまで親友ごっこをしていたのが白々しい。 「もうそろそろ悟を私にちょうだい。」 恵は言った。 「悟と別れて。お願い。」
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