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もう沢山だ。私はお金を置いて立ち上がろうとした。
「もう聞きたくない。別れて欲しいって言うメグの気持ちもわかる。でもなんで私が別れなきゃいけないの?私が身を引くって決める権利メグにはないでしょ?メグに従わなきゃいけない理由はないはず。」
悟と別れようと思っていたしこれ以上一緒にいたくもなくなった。でも恵に言われて決めることではない。私は立ち上がって席を離れようとした。
私の背中に向かって恵が言った。
「理由はあるの。」
私は振り返り恵と正面から渡り合った。
「悟の子供がいるの。ここにね。」
恵はお腹をさすってみせた。私は恵のお腹を凝視した。それから目を背けてドアに向かった。
現実からも目を背けて逃げたかった。
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