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行き先も確かめないまま電車に乗った。私だけが透明な膜で周囲と隔離されているような感覚が拭えず苦しい。
虚ろな目で電車の窓に映る自分を見つめた。見返してくるモノクロの自分は疲れきって表情の抜け落ちた亡霊のような顔で自虐的な言葉ばかりを頭に吹き込んだ。
そんなもう一人の自分から逃げるように駅に降り立った。こんな展開をつゆとも予期せず穏やかな気持ちで出発した駅。なんとか利用駅までは帰ってきたわけだ。
外は雨が降り出していた。傘を持っていない人々が立ち止まり思案顔でいるのを横目に傘もささずに自転車まで歩いた。
ボロボロな私。雨粒と雨音が私の涙をごまかしてくれた。大粒の雨の中、私は声を上げて泣いていた。
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