33.気分転換

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私鉄がJRに乗り入れをしている駅が終点だ。降りてそこから電車に乗った。ここから20分程私鉄に乗ると終点の都内のJRの駅に着く。 どこへ行くかまだ決めていなかったけれどとりあえず都内まで行くことにした。 「どこに行くかな?」 リュウが言った。 「どこか遠くに行きたいな。」 私は深く考えずに思いつきで呟いた。 「遠くって?」 「別に、ちょっと言ってみただけ。綺麗な景色とかみたいなって思って。」 「綺麗な景色かぁ。海と山とか?いつか俺の田舎に連れていってあげたなぁ。すごく綺麗な海だよ。潜ってウニとか取って食べられるんだよ。そんな海行ったことないでしょ?」 目を細めるように笑いながらリュウは言った。 「海に行こうよ。ウニは取れないけど。」 リュウは名案に思い当たったという風に言った。 「今から?急に?」 「なんで?いいじゃん。まだ10時前だよ。それに今日は一日ゆっくり楽しもうよ。だって……」 リュウは言いかけて黙った。 「だって何?」 私は続きを促した。 「なんでもない。」 リュウは何か企んでいるかのようにごまかして笑った。
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