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「今日は一緒にいてよ。」
その声に滲んだ切実さに胸をつかれた。
「うん。」
私は頷いた。
ずっと裏切られてきたのだ。いまさら悟のことを気にすることなんてないのだ。昨日だって結局帰宅もしなかったわけだし。いまだに連絡もない。
列車は定刻に出発した。有楽町や新橋を展望席から眺めるのは不思議なものだ。特急列車に乗るのは久しぶりだ。いつも遠出する時は悟の車だったから。
もう悟とのことで悩む必要はない。気持ちにきちんとピリオドを打って新しく踏み出そう。今日はその始まり。楽しもう。
「ねえ?リュウ?」
「うん?」
「悟のことは気にしなくていいよ。現実的な問題は帰ってから考えるけど悟とは別れる。リュウとちゃんと始めよう。」
リュウがじっと私を見た。
「今までごめんね、リュウ。」
「ありがとう。」
リュウがにっこりと笑った。私も笑った。
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