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コンシェルジュがホテルから徒歩で行ける店を紹介してくれたのでそこに行った。
リュウは正美の家で私たちと飲むようになって飲む習慣になったらしい。お酒は強くないけれど少しだけ飲むのは好きなようだ。
考えてみれば最近では週に5日以上二人一緒に晩御飯を食べている。私もリュウと同じくらいのペースで軽く飲んでつまむ感じで楽しんだ。
「うれしいな。帰りの時間を気にしないでいいって。ずっと一緒にいられるんだよ。」
リュウが言った。
「そうだね。」
私も言った。
「一分一秒でも長く一緒にいたいんだ。」
リュウはそう言いながら自分の手の平と私の手の平をテーブルの上で合わせた。私はちょっと照れながらリュウを上目遣いで見た。
「かわいいひと。」
私は小声で言ったあとほとんど声を出さずに
「大好き。」
と言って目を伏せた。
顔を上げようとしたとたん、リュウの唇がほんの一瞬私の唇に触れた。錯覚かと思い紛うような一瞬の動作だった。
「早く二人きりになろう。」
リュウが言った。
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