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「どこに行くの?」
私は聞いた。
「どこに行きたい?」
リュウは私に聞き返してきた。
「うーん……」
私はそもそも浮き立つような気分とは程遠かったしテンションも全く上がっていなかったからどこでもよかった。気晴らしが出来るなら。
確かにリュウが迎えに来てからは自分の置かれている状況を忘れていられた。でもぼんやりと自分の思考に入ってしまいそうになる。
「ねえ?聞いてる?」
リュウが私の顔を自分の方に向かせて言った。
「とりあえずチャリで駅まで行こうかって言ったんだよ。それか俺のチャリをここの自転車置場においといてバスで行く?」
「どうしようか。バスにしようか。」
どっちでもよかったけれどそう言ってみた。行きたい場所も浮かばないしどうでもいい気分だった。
でもそんな態度でいたらまたリュウがぐれてしまいそうなので陰欝な気分を隠した。
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