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現地を見た結果、最初に見た今のアパートから一番遠い物件に気持ちが固まった。
ほかの2つの物件よりも広いしわりと新しくきれいだった。しかも家賃は3つの中で一番安く、担当者も掘り出し物件だと言っていた。
リュウも実際見てみて納得したらしい。リュウの寮から近いところが捨てがたかったようだが最終的には同意してくれた。
不動産屋に戻って仮押さえの処理をして必要書類とお金を用意して後日出直すことにした。
不動産屋を出るとすっかり夜になってしまった。
「ありがとう。付き合ってくれて。」
「当たり前じゃん。それより飯食ってから帰るので大丈夫?腹減った。」
「うん。話し合いしないといけないけどいるかどうかもわからないから。食べて帰ろう。」
悟は今日は休日だと思う。でも恵のところかもしれないし仕事に行ったかもしれない。
私が携帯の電源を切ってしまっているからわからない。家に帰りたくなかった。悟との住まいに。
これから向き合わなければいけない局面。憂鬱な話し合いなんてものでは済まされないかもしれない。修羅場は避けられないだろう。そう思うと気が重かった。
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