39.転居

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店の外に出るとリュウは私を抱き寄せた。そして私の顔を胸に引き寄せ言った。 「ごめんね。つらいこと聞いて。泣いていいよ。好きなだけ。落ち着くまで俺の胸で泣いていいよ。俺がついていてあげる。」 リュウの穏やかな優しい言葉を聞きながら私は泣いた。リュウのシャツが涙で湿ってしまう。 リュウは片手で赤ん坊をあやすように私の背中をとんとんとゆっくりたたき、片手で髪を撫でてくれた。 しばらくすると嗚咽の波は静かにひいていき、あとにはリュウの胸の温かさだけが残った。 「大丈夫?」 リュウは聞いた。 「うん。ごめんね。ありがとう。」 「いいんだよ。じゃあ行こう。送って行くから。」 私たちは自転車をおいた所まで歩き出した。
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