46.真夜中の電話

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目覚ましのアラームが鳴っているんだと思った。携帯が鳴っていた。手探りで探し音を止めようとした。 寝ぼけながら懸命にアラームを止めようとしていたがよく見ると着信だった。一気に目が覚めた。悟だった。 電話に出るのは躊躇われたが執拗に音は鳴りつづけた。リュウが半分起きかけた。私は慌てて体を起こした。そっと布団から出る。 「もしもし?何とか言えよ、ミオ。」 「何?」 私は声を落として言った。時計を確かめた。0時を回ったところだ。 「どこにいるんだよ?」 悟の声は落ち着いていた。何でもない時ならそそられるような低くてセクシーな声。 この声もまた私を夢中にさせた悟の魅力の一つだった。だが今となってはその声に体が固まる。 「鍵を返さなきゃね。」 私は質問には答えずにそう言った。 「どこにいるの?」 悟はまた同じ質問をした。 「言うつもりない。」 私は渇いた平板な声で答えた。しばらく沈黙が続いた。
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